1415:アカネ:サマー『』
これは、もしもの話。海に遊びに来ていた六人。誰が言い出したのかなんて、どうでもいい話だった。満面の笑みのアカネが用意したスイカ。だが、その笑顔を引きつらせたのは刀を手にした水の少年。おい、それは卑怯だろ。だが、二人は楽しそうだった。この勝負、僕は負けられない。そんな、熱い夏の一日が始まる。 |
1416:アオト:サマー『』
ねぇ、なんでシャチじゃないの。アオトが手にしたサバフロートに興味津々の風の少女。だが、そんな問いに平然と答える水の少年。大切な人に、貰ったんだよ。そして、大きなサバを小脇に抱え、駆け出した砂浜。晴天の夏空の下、輝きを増した海は呼んでいる。夏を追いかけようよ、夏が逃げる前に、僕達だけの夏を。 |
1417:ミドリ:サマー『』
賑やかな水着になって、初めてわかる日焼け跡。意外と焼けてるね。対照的に白い光の少女。でも、昔はもっと焼けてたんだよ。ミドリが話す思い出、それは幼き夏の日。緑に囲まれた田舎町、外で遊ぶしかない少女を照りつける太陽。だからね、私、海に来たのは初めてなんだ。夏は、少女たちを焦がしていくのだった。 |
1418:ヒカリ:サマー『』
甘い匂いに誘われて海の家へと向かったヒカリ。みんなの分もだね。炎の少年にはイチゴ、水の少年にはブルーハワイ、風の少女にはメロン、無の少年にはミゾレ、だが、闇の少女の分だけはなかった。ごめんね、丁度良いのがなくて。そして、そっと差し出した二つのオレンジフラッペ。だからね、私とお揃いにしたよ。 |
1419:ユカリ:サマー『』
パラソルの下、夏から逃げるようにカーディガンを羽織っていたユカリ。どうした、泳がねーのか。話しかけてきた無の少年。事情があるのよ。だが、そんな事情は、浮き輪を見れば一目瞭然だった。もしかして、泳げないのか。し、失礼ね。そして、少女は夏へと駆け出す。泳いでみせるわ。夏はまだ、終わらない。 |
1420:ギンジ:サマー『』
サーフィンを楽しむギンジは沖へと流されていた。辿りついた離れ小島、途絶えた連絡手段、沈み始める夕日。俺はまだ、終われない。だが、奇跡は起きた。なんだ、島の裏側にいたのか。そこには炎の少年が立っていた。涙を浮かべながら喜ぶ無の少年。こうして、暑い夏の一日は終わりを告げた。これは、もしもの話。 |
1421:ロジン:サマー『』
私にも、声かけてくれたんだ。笑顔のロジン。だが、不機嫌な西魔王。そんな彼の機嫌が直る出来事が。北魔王さんからだって。何故か釣りを楽しんでいた北魔王。やっぱり、塩焼きね。それは南魔王の配慮。けひひ。そんな光景ににやつく東魔王。なぜ笑っている。意味のわからない教祖。いつかの、夏のひと時だった。 |
1422:クロウリー:サマー『』
休みも必要ね、と、南魔王が計画した夏休み。護衛には四大魔王達が。しぶしぶ付き添う北魔王と西魔王、楽しそうに水着を選ぶ東魔王。ひと時の休息、貸切の浜辺、幸せな夏。だが、クロウリーは悩んでいた。なぜなら、彼女の左右にいたのは、水着姿の南魔王と東魔王だったから。どうすれば、大きくなるのだろうか。 |
2102:イッテツ:サマー『』
心地よい波の音。いい香りだ。注がれた葡萄ジュース。やっぱ夏はリゾートだな。イッテツは夏休みを満喫していた。ガチャリ。あれれ、だったらどうして、ここは涼しいのかな。ピ。止められたエアコン。カチャ。止められた波の音。バサ。剥がされた砂浜のカーテン。夏休みごっこを終わらせたのは、光妖精王だった。 |
2103:スピカ:サマー『』
目の前に作られた砂のお城。いつかは波にさらわれ、崩れちゃうんですよね。スピカは少し寂しそうな笑顔を浮かべた。私へのあてつけかしら。闇魔女王が浮かべる退屈な表情。ち、違います。これは、女王様に壊して欲しいんです。だから今日だけは、普通の女の子でいてください。それが魔界の最後の夏休みだった。 |
2104:モルガン:サマー『』
あーぁ、むかつく。そんな苛立ちを夜の海に溶かしていたモルガン。っていうかさ、アンタなんで帰らないわけ。私は彼を殺す、それは今も変わってないから。ふーん、そう。そんな二人きりの時間に訪れた人影。だったら、オレと手を組まないか。そこには大剣を携えた男が。随分と懐かしいものを持ってるじゃないの。 |